宗教について 〜 人の生と死を考える 注11

公開: 2023年3月9日

更新: 2023年4月7日

注11. 反共産主義思想

文鮮明氏は、現在の北朝鮮で生まれました。しかし、大日本帝国による朝鮮半島支配が終わり、朝鮮戦争が勃発したころ、朝鮮半島の南、すなわち現在の大韓民国へ移り、旧統一教会を設立しました。このとき、その新宗教の重要な教義としたのが、「反共産主義」でした。それは、北朝鮮が、共産主義や社会主義を標榜していた中国やソビエト連邦の支援を受けていたからだったのでしょう。

1950年に、北朝鮮軍の南進によって始まった朝鮮戦争は、一時、韓国軍と米国が支援していた国連軍が、朝鮮半島の南端にまで追い詰められる状況になりましたが、その後、国連軍の本格的な支援によって、韓国軍と国連軍が、北朝鮮側の領土に攻め込みました。北朝鮮軍が中国国境まで追い詰められた時、中国共産党は、大規模な支援軍を送り込み、北朝鮮軍を助け、韓国軍・国連軍を現在の国境線の近くまで、追い返しました。

このし烈な戦いの残像が残る中、文鮮明氏は、「反共産主義」を前面に出して、旧統一教会を韓国社会に定着するよう活動しました。その結果、文鮮明氏は「反共産主義」を掲げた政治団体も作り、「国際勝共連合」と名付けました。安倍元首相の祖父の岸信介氏は、その国際勝共連合の日本での活動を支援したことから、文鮮明氏との協力関係が深まったのです。

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